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和歌山市近郊・和歌山市
和歌山市のまちなかにある日前神宮(ひのくまじんぐう)國懸神宮(くにかかすじんぐう)は、2680年前(2021年現在)に創建された、全国有数の歴史ある神社で、白く大きな鳥居が特徴です。同じ境内に二社一体の形式となる神社は珍しく、全国的に見ても日前神宮と國懸神宮だけだそうです。日前神宮・國懸神宮は、和歌山県のなかに三社だけある「紀伊之國一之宮」の一社として、地域の中でも社格の高い神社であり、天道根命(あまのみちねのみこと)の末裔である紀氏(きいし)によって歴代奉祀され、両神宮の祭神が三種の神器に次ぐ宝鏡とされていたために、伊勢神宮と同等の崇敬を受けていたといわれています。両神宮を「神社」ではなく「神宮」と呼ぶのは、祭神が皇室の祖先であり、皇族と縁の深い神社であるからで、特別な由緒を持つ神社のみに「神宮」は使われているそうです。
日前神宮・國懸神宮は日本神話の中でも有名な「天の岩戸屋」のエピソードと深いかかわりがあります。この神話で天照大神(あまてらすおおみかみ)を映した鏡は「八咫鏡(やたのかがみ)」と呼ばれ、代々の天皇家が継承してゆく「三種の神器」の一つです。その八咫鏡と時を同じくして天照大神のために作られた「日像鏡(ひがたのかがみ)」と「日矛鏡(ひぼこのかがみ)」が日前神宮と國懸神宮それぞれのご神体となっています。その2体の鏡は、今でも両神宮にお祀りされています。 鬱蒼とした森に囲まれている日前神宮・國懸神宮の鳥居をくぐると、一気に厳かな雰囲気に包まれます。緑が多いので、まちなかにいるのに大自然に飛び込んできたような感覚になります。耳を澄まして聞こえてくるのは、木々の重なりあう優しい音や鳥の鳴く声、歩いているときの砂利の音です。入れ口から向かって左が日前神宮で、右に國懸神宮があります。
日前神宮・國懸神宮は、古くから紀伊國一之宮として一般の人々からも崇敬を集め、地元では二社を総称して日前宮(にちぜんぐう)という愛称で親しまれています。この2つの呼び名だけでなく、実は他にも呼び方があり、名草宮(なぐさぐう)とも古い書物には記されています。
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